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パトリシオ・ガルシア・デ・パレデス

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皆様へのメッセージ

 私の人生は、早い段階からマクロビオティックの影響を受けました。私の母は、回復の見込みがないと医師に言われるほど、その人生のほとんどを健康問題で苦しんでいました。そのため母は、自分の内面に目を向けるようになり、自分の努力で健康を取り戻すという道を見つけました。彼女は、自分の人生を顧みて、粗末な食事を選んでいたことや不健康なライフスタイルが、彼女の健康の悪化を引き起こした主原因であったと気づき、食生活を変えることにしたのです。そしてこれが、彼女をマクロビオティックへと導き、その結果、当時のヨーロッパでマクロビオティックを教えていた、久司道夫と久司アヴェリーヌから教えを受けることになったのです。

 私の家族全員は、その時点から、食物の種類から調理法や食習慣までのすべてにおいて、大きな変更に直面することになりました。当時私は、地中海にあるスペインの小さな島、フォルメンテーラに住んでいました。母は、食料のほとんどを島の中で求めるようになり、健康に良いさまざまなことを地元の食文化から学ぶようになりました。小さな島であるため、ほとんどの人々は、シンプルな自給自足生活をおくっており、人々は、食物の大半を自分で生産し、加工し、調理していました。私たちは、当時まだ主食であった全粒粉のサワードウブレッドや、季節の新鮮な野菜、豆、アーモンド、フルーツなどを食べるようになりました。また、伝統的に作られた未精製の海塩やオリーブオイル、伝統的に発酵させたオリーブや地元の食材なども使うようになりました。ほとんどの動物性製品はその量を大幅に減らし、海で捕れた新鮮な魚は控えめに摂るようになりました。この伝統的な食べ方は、こんにち、世界中の栄養学者や健康団体からホールフード・プラントベース食と呼ばれている食べ方であり、慢性病を予防し、回復させる可能性があると考えられています。しかし当時は、科学的な証拠も発見されていなかったので、私たちはこの食べ方をマクロビオティックから学んだのです。

 これらの変更以外にも、日本とアジアの伝統文化や、健康を保つための東洋の考え方を学び、私たちの生活に取り入れ始めました。私たちは、味噌、醤油、米酢などの発酵調味料を調理に使い始めました。これらの発酵調味料は、健康に良い細菌(プロバイオティックス)が豊富に含まれており、これらは腸内を健康に保ち、免疫力を高め、私たちを健康にしてくれることが現在わかっています。玄米や海藻を食事に取り入れ、豆腐やテンペを自宅でつくり、調理の仕方や料理の出し方、そして日々のバランスの取り方にもより注意を払うようになりました。当時の私は、伝統的な地中海食と日本やアジアの食文化が、何年にもわたって大規模に調査されていたことを知りませんでしたが、これらの地域は、今や世界で最も健康的であると考えられている地域です。そういった伝統的な生活をしている人たちは、慢性病にかかる危険性を下げられるだけでなく、長く生きることができ、幸せで充実した人生を送ることができています。

 こうした経験のおかげで、私は、マクロビオティックをさらに深く学ぶようになりました。そして学んだことを実生活で使ってみて、応用できるようにもなったので、このマクロビオティックの生き方を人々とシェアするという長い旅に出る決心をしました。私がこの道を選んだ一番の理由は、家庭での経験でした。私の母は、「健康は自己責任である」ことを幼い頃から教えてくれましたし、健康を維持するための貴重なツールも私に手渡してくれました。また、「人生では健康がすべてではないが、健康でないと何もできない」ことも教えてくれました。そして私は、自分の道を歩んでいくなかで、久司道夫と久司アヴェリーヌから直接学ぶことができ、のちには、マクロビオティックを世界に広めたり日本での教育活動を始めるため、久司夫妻に協力するようにもなりました。

 マクロビオティックによって、「食物」と「ライフスタイル」と「健康」との関係性についての興味が、私の中で芽生えていきました。そして、私は小さい頃から料理が好きでしたので、この人類の努力の結晶とも言える芸術、マクロビオティックを、自宅でも仕事としても続けていくことができました。私は、東洋の文化と伝統的な生き方に、大きな敬意を払っています。日本に何年も住み、アジアの国々を回った後でさえも、いまだにこれらの文化を学んでいます。そして、こんにちの社会でも使えるような実用的な方法を、日々模索しているところです。

 現代は、これまでにも増してマクロビオティックの生活方法が必要とされる時代です。動物性食物、砂糖、スウィーツ、甘味飲料、ファーストフード、ジャンクフード、超加工食品などの過剰摂取に代表される現代の食習慣とライフスタイルが、世界中に広がっていくにつれて、慢性病も世界中で蔓延し続けています。そして私たちが、環境汚染のほか、エネルギーや資源の過剰な使用、森林破壊、生物多様性の消失、二酸化炭素の大量放出などを引き起こして、環境をさらに悪化させているのは、私たちが毎日食べているこれらの現代的な食品を生産し、アンバランスな食習慣を維持しているからなのです。このため、地球温暖化と気候変動はさらに加速しており、こんにちでは、地球全体とそこに棲むすべての生物を危険にさらすまでになっています。こうした現状を見過ごしていると、私たちの健康もさらに弱っていき、人々にさらなる苦痛や苦悩を与えるだけでなく、将来の世代の健康をも傷つけてしまいます。

 私はこの場を借りて、自分と家族の健康を自分で管理することを強くお勧めしたいと思います。自分の生活方法をよりバランスのとれた、健康的な方向へと変えることで、私たちは、自分の健康を管理することが可能になります。そして私たちが健康になることは、誰もが健康で幸せな、平和な世界を実現させる手助けにもなるのです。食べ方を変えて、自分の健康を管理しながら、人生を意義あるものに変えていきましょう。

パトリシオ  ガルシア  デ  パレデス

グローバル  マクロビオティックス  スクール  ディレクター

経歴

1970 スペイン、バルセロナに生まれる。

 

1975 - 1985 母、ルイサ  バランダからマクロビオティックの生き方を教えられ、家庭で調理を始める。時には、オーガニック食品や健康的な生活を普及していた母の手伝いをする。

1985 - 1988 米国マサチューセッツ州ボストンへ移住する。Erewhon自然食品店とサトリ マクロビオティック レストランで働く。ブルックライン高校を卒業する。

 

1989 - 1994 マサチューセッツ州のブルックラインとベケットのクシ インスティテュートで、久司道夫と久司アヴェリーヌからマクロビオティックを学ぶ。

Kushi Institute in Becket MA, USA

1994 - 1995 東南アジア、コスタリカ、ペルー、ヨーロッパ、米国など世界各地で、講義、クッキングクラス、および健康的な生活の普及活動を始める。

 

1996 - 1997 久司道夫と久司アヴェリーヌとともに日本に数回訪れて、教育活動に従事する。

Teaching at Macrobiotic seminars in the 1990s

1998 - 2002 東京のクシガーデン マクロビオティック レストランで、シェフとして働く。東京でクッキングクラスを教える。最初のクックブック「砂糖を使わないお菓子」を出版する。レシピや記事がクックブックや雑誌に掲載される。

2002 - 2004 東京各地のチャヤ マクロビオテック レストランでエグゼクティブシェフとして働く。クッキングクラスを教える。レシピや記事が、クックブックや雑誌に掲載される。

2004 - 2016 クシ インスティテュート オブ ジャパンのディレクター兼主任講師として働く。レシピや記事が、クックブックや雑誌に掲載される。「パトリシオのハッピー マクロビオティック スウィーツ」を出版する。「アヴェリーヌ クシ アワード」を受賞する。

2016 - 2020 東京でクシ マクロビオティック スクールを設立し、運営する。国内と海外で、講義やクッキングクラスを教える。

 

2021 - マクロビオティック スクール ジャパンを設立し、ディレクター兼主任講師として教える。

 

2023 - グローバル マクロビオティックス スクールを設立し、ディレクター兼主任講師として教える。マクロビオティック教育を提供し、健康的な生活を広めるために、マレーシア、中国、ベトナムのパートナースクールとともにグローバル マクロビオティックス ネットワークを設立する。オンラインのマクロビオティック教育を提供する米国の非営利団体マクロビオティック グローバル インスティテュートの共同設立者となる。

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